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不貞行為の証拠とは?

弁護士 金愛子

 

「妻が同窓会をきっかけに不倫した」「夫が私の女友達と不倫していた」という話を耳にする方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「不倫」や「女遊び」は離婚原因になり、不倫された配偶者は、不倫した配偶者や不倫相手に対し、慰謝料を請求できることはご存じの方も多いのではないかと思います。

不倫した配偶者や不倫相手に対し、裁判を起こして慰謝料を請求し、認められるためには、「不貞行為」を立証する必要があります。立証とは、ひらたく言うと、「裁判官に対し、こちらの主張が事実であると確信させるための証拠を提出する行為」です。

本稿では、簡単ですが、不貞行為の立証についてご説明したいと思います。

 

1.「不貞行為」とは

そもそも不貞とはどのようなものを指すのか、裁判所は、次のように定義しています。

 

「民法七七〇条一項一号の不貞な行為とは、配偶者のある者が、自由な意思にもとづいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいい、相手方の自由な意思にもとづくものであるか否かは問わない。」

 

つまり、結婚した者が、自由な意思に基づき、配偶者以外の人と性的関係を結ぶことが「不貞行為」となります。よって、当然ながら、妻がレイプされた場合には、夫は妻に不貞行為を理由とする慰謝料請求はできません。

 

2.「不貞行為」の証拠になるものは?

それでは、どのような証拠があれば、裁判官は「不貞行為があった」という事実認定をするでしょうか。以下、代表的な証拠と、その理由について述べます。

 

(1)写真、録画データ

配偶者が不倫相手との性行為をスマートフォンで写真に撮ったり、ビデオに撮った

りすることがあります。

このような記録は、不貞行為の証拠となります。ただし、婚姻期間中の不貞行為で

あるというために、性行為の日時がある程度特定できることが必要です。

他にも、裸の写真やキス写真(自撮り)等は、肉体関係を推認させますので、不貞行為の証拠になります。

 

(2)探偵事務所の調査報告書

探偵事務所に調査を依頼し、出来上がった調査報告書が不貞行為の証拠となるケースがあります。

調査報告書にも、証拠としての価値が高いものと低いものがあります。証拠としての価値が高いものは、①ラブホテルに入る場面・出る場面の写真がある、②二人がキスやハグをしたり、手をつないで歩いている写真がある、等です。まず、①の写真は、ラブホテルは基本的にカップルが性行為を行うための施設であるため、肉体関係を強く推認させます。また、②の写真は、性行為そのものの写真ではないものの、恋愛関係にあることが分かるため、不貞行為を推認させる証拠になります。

探偵事務所に調査を依頼する場合、相当程度の費用が必要です。他の証拠の有無や収集等について、まずは弁護士に相談し、調査を依頼するかどうかを検討するのも一つの手段です。

 

(3)ドライブレコーダー

夫婦が利用している車で、不倫相手と性行為に及んだり、デートに行ったりするケースがあります。車にドライブレコーダーが設置されている場合、右のような場面が記録され、証拠となる場合があります。

 

(4)LINE、SNS上のDM

メッセージアプリ等、配偶者と不倫相手との間の直接のやり取りで、不貞行為を立証できるケースもあります。例えば、「久しぶりにお泊りできてうれしかった」「今度はいつ泊まれる?」「奥さんにばれてない?」「今度はこのホテルに行こう」「昨日は気持ちよかったよ」等のやり取りがあった場合、「妻に隠れて二人で宿泊したこと」は認定できます。ただし、「不貞行為」については、曖昧な表現となっているため、他の証拠(写真やラブホテルのレシート等)も収集するのがベストです。

また、SNSのDMの場合、氏名の特定という問題もあります。このようなメッセージしか証拠にない場合には、ぜひ、資料をもって弁護士にご相談ください。

 

3.まとめ

不貞行為を行った配偶者やその相手方に対し、裁判で慰謝料を請求する場合、裁判官を説得できるような証拠が必要です。

お手持ちの資料で裁判官を説得できるかどうか、その検討作業は、客観的判断は難しく、かつ、精神的にも疲弊する作業です。当事務所には経験豊富な弁護士が複数所属しています。少しでもお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。

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