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二次相続対策としての家族信託

弁護士 金紀彦

 

ファミリービジネスの経営者にとって、後継者選びは最も重要な課題の一つです。自分の次の経営者を選ぶことが最優先となりますが、家族の状況からすると、その次の経営者も選んでおく必要がある場合があります。このような場合、遺言などでは十分な対策ができないため、家族信託を利用することが有用です。

例えば、会社は長男に継がせようと思っているが、長男には子供がいないので、長男の次は、次男の子供に継がせたいというケースがあります。この場合、生前贈与や遺言などを用いることによって、長男に会社を継がせることはできますが、長男の次に誰に会社を継がせるか(二次相続といいます)まで指定することはできません。現経営者である父親の死後に長男が父親の遺志に従わなくなるおそれもありますし、長男が特に何も対策をしなければ、長男の妻に会社経営権が移り、長男の妻の死後には、長男の妻の親族に会社株式が承継されてしまうことになります。

そのようなことを防ぐために、家族信託による対策が有用です。すなわち、現経営者である父親が委託者になり、第1受益者を父親、第2受益者を長男、第3受益者を次男の子供として、父親が亡くなるまでは現状のまま経営を行った上で、父親の死後には、長男、次男の子供と会社を引き継がせることができます。さらには、長男の妻の生活を守るために、長男の死後には毎月一定額を長男の妻に支払うという内容を付加することもできます。

家族信託を利用するにあたっては、まずは、ご相談を受けて、家族信託の概要を説明し、どのような内容とするのが好ましいかのアドバイスをします。その上で、家族の中で十分に話し合いをしてもらいます。必要であれば、家族での話し合いに同席して、専門家としてアドバイスすることも可能です。家族の皆さんの想いが出揃った段階で、相続税の節税についても検討した上で、どのような内容の家族信託にするのかを決めていきます。

家族信託は、家族の中で財産を引き渡す側と引き継ぐ側がそれぞれの想いについて話し合って、それを実現するために行うものです。家族信託を利用することによって、争いを未然に防ぐとともに、財産を引き渡す側、引き継ぐ側、それぞれの不安な気持ちを取り除くことができます。

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