弁護士 金 慶幸

最近、韓国では「Me too運動」が活発なようです。

 「Me too運動」は、セクハラなど性的虐待の被害体験を告白することで、昨年、ハリウッドで有名プロデューサーによるセクハラ疑惑を有名女優が公表したことで火が付き、これが韓国に波及し、今年に入り韓国では法曹界、エンターテイメント業界、最近では政界にまでその影響が及び、社会現象にもなっています。ツイッターなどのSNSで拡散したため、「#」が付けられることもあります。

 この運動が韓国で急速に広がった理由について、韓国の歪んだ性文化や社会構造上の問題などが指摘されています。これに対して、男性からは、自分を女性から守るためには「ペンス・ルール」(妻以外の女性と二人きりで食事しない/アメリカ前副大統領の雑誌での発言)に従うしかないという、かなり過激な主張も出てきているようです。

 一方、日本に目を向けてみると、韓国やアメリカに比べて「Me too運動」はあまり活発ではありません。昨年、メディアに実名と顔を出して準強姦の被害を公表したジャーナリストがいましたが、加害者は起訴猶予で、被害者は心ない批判を浴びた例がありました。Me Too運動が下火になっていた中、日本では、財務省の官僚による女性記者へのセクハラ疑惑が最近報道されましたが、これも、徐々に、被害女性の方に注目度が高まってきているように思います。

 日本でMe too運動が広がらない理由は色々あると思いますが、個人的には、「被害者にも落ち度がある」という声のように、二次被害が必ずといって起こること、そして、事件を対岸の火事のように見てしまい、自分には関係ないと考えて支援の輪が広まらないことだと思います。

 ちなみに、近年は女性の社会進出が進み、職場に女性の上司が多くなり、男

性の部下がセクハラ被害者になることもありますので、男女関係なく注意が必要です。この点、私の周りには、なぜか強気な女性が多く、セクハラ被害の法律相談は思い出す限り無いのですが、むしろ無意識的にセクハラやパワハラをしていないか、自分も含め振り返って考える契機にしたいと思いました。